【キキョウ】その名前、商品名ですよ!
健康のために歩くことを
推奨されたとしましょう。
さて、あなたは『万歩計』をつけますか。
ここで注意してほしいのが、
万歩計とは、山佐時計計器株式会社が
商品区分第9類・歩数計として
登録している名称です。
つまり、登録商標。
決して歩数計全般を示していません。
他社が歩数計商品の名称やカテゴリー名として
「万歩計」と無断で使うことは、
商標権侵害の対象になる可能性があります。
同じように、ステープラーをホチキスといい、
絆創膏をバンドエイドといったり、
ラップフィルムをサランラップという。
この現象を、
普通名称化(ジェネリック化)と呼びます。
マーケティング的には成功ですが
法律的には喜べませんよね。
商標が一般的な名称になると、
権利が弱くなりますから。
下手すると、商標としての
効力を失うことすらあります。
例えば、セロテープやジープ。
今や一般名称ですが
本来、これらも登録商標でした。
この「ジェネリック化」ですが、
単なる言語の変化ではありません。
企業、消費者、文化、市場心理の
綱引きでできています。
まず火種として、名前が
便利すぎる、覚えやすい、唯一無二などの
特徴が挙げられます。
例えはソーイングマシンが「ミシン」に
なったようなものです。
市場に競合が少ない時期に
圧倒的シェアを掴んだ商品は、
用途=その商品の名前となりがち。
動詞、短縮語、スラングになると、
ブランドの手を離れ始めると、
もう一般化は止まらない様子です。
インターネット検索を、ググるというみたいに。
そして正しい普通名詞は忘れられていきます。
どのメーカーの絆創膏でも
バンドエイドになるように。
もちろん企業は躍起になって、
普通名称化を止めようとしだします。
それが成功するかどうかは
別の話として。
ブランドの一般名称化とは
愛されすぎて 「ひとり」から
「みんな」に溶けていくプロセスでもあります。
悪いこととは言い切れません。
ただ。
ときどき、思い出してみるのはいかがですか。
その名前が最初に生まれたとき、
確かにそこに「一人の固有名」が
存在していたことを。
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曽我部キキョウ
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ほしよみ堂大阪アメ村店
2025年11月の出演日
5日、6日、8日、10日、11日、12日、13日、16日、20日、22日、23日、26日、30日
2025年12月の出演日
3日、5日、6日、13日、14日、19日、21日、22日、24日。25日、28日、31日
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