【キキョウ】月はひとつ、でもその名前は
なぜ日本にはあれほど
月の名前があるのでしょう。
新月、満月、三日月に上弦の月、
それだけでなく、
十四夜や十六夜まで。
羅列するとそれだけで
ノート1頁が埋まるほどです。
それに引き換え、
西洋、代表して英語圏では
月の形に対して
多くの名前はありません。
月の満ち欠けに
風流な名前を付けたのは
日本独自の文化なのでしょうね。
さて、なぜだか気になりませんか。
理由は大きく3つあります。
まず農業暦としての旧暦文化。
月の満ち欠けは生きるための時計そのもの
ということで観察が高度に発展しました。
次に、和歌や俳句の美意識があります。
「ほぼ満月だが少し欠けている」
みたいな曖昧さに情緒価値が生まれました。
もう一つが、照明の乏しい生活史です。
暗い中で、月光は特別な光でした。
だから人は執着し、象徴化したのです。
農耕に月を頼り、
闇夜を月に照らされ、
わずかな欠けさえも美しいと見てしまう。
日本人はそんな民族です。
西洋はと言いますと、
変化よりも満ちた瞬間を愛する文化。
だから、満月には
たくさんの名前があるけれど
満ちゆく月、欠けゆく月には
あまり名前がないということに。
月に関して日本と西洋を比較しますと
もう一つ興味深いポイントがあります。
日本では、あまり目立ちませんが
月の神と言えば男性とされています。
一方の西洋。
各国の神話を見ると、
「月の女神」が出てきますよね。
余談ですが、太陽も
日本が女性で西洋は男性、
男女が逆です。
この背景には、
気候などの生活環境から、
政治的なことまで、
さまざまなことが絡んでいます。
このあたりは、調べてみると
面白いかもしれませんね。
さて、ほんのわずかな月の満ち欠けに
それぞれ名前を付けて
愛でる日本人。
今夜の月がどれほど欠けていても、
名前があります。
そっと空を見上げて、呼んでみませんか。
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曽我部キキョウ
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ほしよみ堂大阪アメ村店
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5日、6日、8日、10日、11日、12日、13日、16日、20日、22日、23日、26日、30日
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