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【キキョウ】紅葉を美しく思う心

日本という国は、残酷なまでに

四季がはっきりしており、

その折々に見せる自然の姿には

圧倒されるものがあります。

 

その島国にあって、

日本の民族は移ろいゆくもの

潔く去るものを尊いとする

文化をはぐくんできました。

 

武士道もそうですね。

 

命の長さではなく、

その「在り方」に価値基準を置き

散り際の凛とした姿が美とされます。

 

そんな民族だからこそ、

桜や紅葉の去り際に

心を打たれるのでしょう。

 

ただし、彼らは去るといっても

死ぬわけではありません。

翌年また、美しく返り咲きます。

 

さてここで、今ちょうど

美しく色づく紅葉について

植物の視点で見てみましょう。

 

彼かは決して人間の目を楽しませるために

色を変えているわけではありません。

 

彼らは彼らで生き残るために必死で、

そして環境に適応するために

進化してきました。

 

基本的に落葉樹は秋から冬にかけて

葉の色を変え、落としていきます。

 

なぜかと言いますと

効率の問題です。

冬場は光合成をするための

エネルギー効率が悪すぎるのです。

 

栄養分を幹や枝に回収し、

葉という存在を切り捨てる、

その際に出てくる色素が

黄色や赤色ということ。

 

落葉樹の、生き延びるために選んだ

ストイックなまでの戦略、

それが紅葉の正体です。

 

ちなみに、常緑樹は紅葉しません。

 

その必要がないからです。

葉が「装甲」をまとうように

寒さに耐えて光合成できる機能が

備わっているかからです。

 

効率は落ちても、比較してみると

冬に光合成をする方が

葉を落としてしまうより

生存確率が上がるということ。

 

どちらが優れているということはありません。

 

見る人の心を打つ桜や紅葉。

人はその美しさの中に、

何を見つけるのでしょう。

 

彼ら植物の、

徹底的に合理的な生き様を思うか、

去り際の美学のようなものを感じるか。

 

見る人次第ではありますが

植物への敬意は忘れないで欲しいですね。

 

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曽我部キキョウ

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ほしよみ堂大阪アメ村店

2025年11月の出演日
5日、6日、8日、10日、11日、12日、13日、16日、20日、22日、23日、26日、30日

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