【キキョウ】読書のすすめはどう変わる
本を読みなさい、と言われたら
どのような形式のものを読みますか。
昔ながらの紙に印刷して
製本した本でしょうか。
それとも電子書籍。
あるいはオーディオブックもあり?
本というものの歴史を見ますと
最初は粘土板に刻んだ文字の羅列でした。
続いて登場するのが
持ち運びができる、
パピルスや羊皮紙の巻物。
それは検索がしやすいようにと
コーデックスと呼ばれる
二つ折りの紙の、片側を綴じたものに。
紙が発明され、印刷技術が確立され、
ついに我々が馴染んでいる本の形へと、
進化の過程をたどってきました。
本と言った場合、今ある形の、
いわゆる書籍を想像しがちです。
しかし定義づけとしては、
「人間が知を保存し、
受け渡すための道具」と
した方がよさそうです。
そうしてみると、
今は本の形が変容する過渡期。
デジタルが台頭し、
今までの紙にこだわる必要が
なくなってきました。
本は読むものという常識が、
時代遅れになり始めています。
本を見る、聴く、体感する。
そして、本の目的は
「文字を読むこと」ではなく、
思考の幅を広げることです。
文字が読める子が賢いという
教育現場の常識は
情報を受け取り、考え、
活用できることがよいと、
変化していくことでしょう。
こうなると識字率は
意味のないデータとなります。
では、何を指標にするのか。
リテラシー(どれだけ扱えるか)が
重要になるのではないでしょうか。
文字の読み書きはもはや
社会的勝者の象徴ではありません。
どんな形であっても
「知を手に入れる」ことが本質です。
文字を読むかどうかではなく、
内容を理解し、考え、使いこなせるか。
本を読む人が優れている時代は終わり、
思考できる人が強者となる時代へ
移りつつあります。
本を読むことが目的の時代は終わりました。
思考できるかどうかが、
これからの知性の分岐点です。
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曽我部キキョウ
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ほしよみ堂大阪アメ村店
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