【曽我部キキョウ】その服は、誰のため? ― 平成生まれの自己顕示欲取扱説明書 その9
仕事で評価されなかった日や
友人との約束もなく、
一人取り残されたような気になる日。
買い物へ行きたくなりませんか。
最近なら、実店舗ではなく
ネット画面を開くだけかもしれません。
そして物色するものはと言えば
決まって服かコスメです。
多くの人はこれを
ストレス発散と呼びますが
実際には不安の払拭です。
買った瞬間、
少しだけ気持ちが軽くなり、
胸の奥が、ふっと温かくなる感じ。
この感覚を、
「気分転換できた」と思い込む人は多いでしょう。
しかし本当に気分が上がっているわけではありません。
実際に起こっているのは、
自分の輪郭が、一瞬はっきりしただけ。
あるいは見失っていた私を、
一瞬取り戻した感覚です。
根本が変わっていませんので、
この感覚はすぐに薄れてしまいます。
実店舗のレジでは
ネットショップの支払い手続きより
さらに危険なことが起きています。
「私はこれを選べる立場の人間だ」
「私は、この金額を払う価値がある存在だ」
そうした自己承認の儀式が
静かに行われているのです。
誰にも褒められなくても、
結果を出していなくても、
お金を払ったという事実が、
一時的に「私は大丈夫」という錯覚を
作り出しています。
本や食料品では
ここまでの満ち足りた感覚を得られません。
しかし服やコスメは他人の目に入ります。
評価されるかどうかは、二の次。
まずは、見える場所に存在したい。
それが、服とコスメを選ぶ本当の理由です。
ただし、買うこと自体は悪いことではありません。
装いは、健全な自己表現の一つです。
問題なのは、
購入直後は落ち着いても、すぐ虚しくなる、
着ても褒められないと、価値が下がった気がする、
クローゼットの中身が増えるほど、自分がわからなくなる、
このような症状があるとき。
これは存在確認を「買い物という行為」に
丸投げしてしいる状態です。
あなたが欲しかったのは、
その服でも、コスメでもない。
私はちゃんとここにいる、
という感覚です。
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曽我部キキョウ
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