
【曽我部キキョウ】意味もだけれど、気持ちはもっと大事!
かつて知人(外国人)が
国に帰るとき、
お餞別として
ペーパーナイフを贈りました。
日本では「縁を切る」イメージで、
あまりよくないかな、とも思いましたが
そのナイフがとてもおしゃれで
その人にイメージぴったりだったのです。
もしかしたら縁起が悪いものかもしれない
と注釈をつけて渡したところ、
その人はメチャクチャ喜びました。
なんで?と思わずにいられないぐらい。
何でも、その人の文化圏では
ペーパーナイフは
連絡を取り合おうね、
の意味なのだとか。
それを聞いて「へぇ~」と
感心したものです。
じつは刃物を贈るのは
決して縁起が悪いばかりではありません。
もちろん、ときと場合によりますが
古くから包丁やハサミは
「災いを断ち、明るい未来を切り開く」
という縁起の良いものでもあるのです。
道路の開通など、
新たな門出を祝う式典で
刃物が使われるのは
前述の意味があるから。
また、海外を見渡しても
刀剣等を贈るのは
信頼や責任を
移す意味がありました。
縁起について考えだすと
贈り物も選ぶのに一苦労しますよね。
最近では、そういう縁起より
実用重視で、送られる側が
欲しいと思うものを
贈るような風潮になってきました。
それでもやはり、
少しだけ、縁起物、ということを
意識したい気持ちも
われら世代には残っているのでは?
いくら欲しいと言われても、
入院のお見舞いに鉢植えとか、
ちょっと気が引けてしまいます。
実用性や、贈られる側の意向を
考慮しつつも、少しだけ
縁起に気を付けて、
選ぶのがよいでしょう。
とはいえ、贈り物は
「気持ち」が一番重要です。
型にはまり過ぎず、
柔軟になって、
気持ちを表現できるといいですね。