【曽我部キキョウ】未来の人は、私たちを何から知るのか
有名画家の絵画展や、あるいは
誰それ博物館などに行くと
よく見られるのが、
その人が残した手紙の数々です。
例えば有名な正岡子規と夏目漱石の往復書簡。
文豪二人の、付き合いの歴史であり、
彼らが何を話し、
どういう人だったかをよく知るためには
貴重な歴史的資料です。
海外でも、ゴッホと彼の弟との
手紙のやり取りが残っており、
私生活面も含めて、
ゴッホの研究にはとても重要な手掛かりです。
ところが近年は手紙を書くということ自体
かなり希少な行為になってきました。
代わりに台頭しているのが
電子メールやLINE、SNSなどの
デジタル化されたメッセージの交換。
現時点で有名、
後世では研究対象になりそうな人も、
おそらくデジタル化された通信手段を
利用しているでしょう。
これから有名になるかもしれない人も
もちろんごく普通に、LINEや
InstagramのDMを使ってやり取り。
これらのデジタル通信は
現在使用している分には
早さもあるし、とても便利です。
ところが先々を考えると、
データ容量の問題や、新技術の発達など
様々な理由から
一斉消去やデータ消失の憂き目を見るかもしれません。
そうなると、残るものは
「あの人たち、仲良かったらしいよ」という
誰かの噂的な言葉なのでしょうか。
博物館で展示されるとしても、
使用していたスマートフォンぐらいかもしれません。
研究をしようにも、
生前の状況を示す手掛かりは
あまり残っていないのではないでしょうか。
昔の人々も、何も後世に残そうとして
手紙を書いていたわけではありません。
それでも、物質として、残っています。
今の人々は、おそらく昔の人よりも
多くのことを文章として、
あるいはスタンプ、写真、動画として
誰かと交換し、交流しています。
ただ、それが物理的なものではなく、
サーバー上にあるというだけです。
誰かのワンクリックで消えるかもしれない
データという形で。
選べる道を増やす、もう一つの見方を
★★★曽我部キキョウ★ほしよみ堂★★★

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2026年10月
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2026年10月
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