
【曽我部キキョウ】黒い金、今は単なる黒い粒?
今では当たり前のように
食卓の上るコショウ。
大昔から人類にとって
身近ではあったものの
一般庶民の手に
届くものではなかった
時代もあります。
インドでは紀元前4000年から
栽培されていました。
日本では縄文時代中期、
中国で農耕が始まったころのことです。
古代ギリシアやローマでは
「黒い金」とまで言われた
貴重な香辛料ですが、
日本に入ってきたのは、奈良時代。
当時の唐を経由して
渡ってきましたが、
最初は薬として使われていました。
ヨーロッパでは、コショウを求めて
大航海時代が始まったといっても
過言ではないでしょう。
オスマン帝国が地中海を制圧し、
陸路が使えなくなり、海路で
インドへの道を求めたのですから。
今では当たり前、
昔は「超」の付くほど
貴重なコショウですが、
どういう効果があるのでしょう。
食料の保存、薬、香辛料として
使用されてきたことは
すでに分かっていましたが、
その成分とは?
コショウには、ピペリンというものが
豊富に含まれているのです。
あまり聞きなれないかもしれません。
しかしその効果は多岐にわたります。
消化促進、血行促進、食欲増進、
ダイエット効果、エイジングケア効果、
リラックス効果、抗菌・防腐・防虫効果など。
どういうからくりで
そういう効果になるのか、
今回は割愛いたします。
とにかく効果満点のコショウ、
ありがたいことに現代では
香辛料としては
当然のように安く利用できます。
漢方やアロマテラピーなどでも
日常的に使用できるのも
ありがたい話です。
今度コショウの味がするものを食べるとき、
効果を気にすることはもちろん、
少しだけ、歴史を振り返ってみるのも
一興かもしれませんね。