
【水森】ウェイト版タロットカードの象徴解釈について。《Ⅳ皇帝》
こんにちはほしよみ堂大阪アメ村店の水森です。
タロット第4のカード〈皇帝〉。
甲冑の上に赤い服を着て、王錫を持ち、四角い石の玉座に座る男性。
背景は切り立った険しそうな岩山。
彼の他には人物はおらずただ1人。
タロットの知識がない方もこの情景を見れば、彼が現在どういう生活をしていて、どういう状況にいるのか想像できるのではないでしょうか。
〈皇帝〉のカードの絵柄を細かく見ていきます。
彼が手に持つ王錫は、円と十字でできており、古代エジプトにおけるアンクを彷彿とさせます。
古代エジプトのアンクは、当時お守りとして使用されていたものでもあり、「生命力」「多産」を示す記号でもありました。
主神オシリスのシンボルである十字と女神イシスのシンボルである楕円を組み合わせたものだという説。
男性原理と女性原理の結合だというものなど諸説あり。
また、絶対的権威を示すとも言われています。
〈女帝〉が女帝原理の象徴であるのに対し〈皇帝〉は男性原理の象徴なのです。
男性原理とは、主体的に能動的に積極的に何かを自らの意思で選ぶ、そのあり方です。
〈皇帝〉のカードにふられた4という数字は、東西南北、春夏秋冬等私達が生活を営む物質社会の基盤をつくる数です。
〈皇帝〉にふられた数は4。
地上の至る所にひかれた道は碁盤の目の様に四角く区切られる事が多く、家も家具も四角は私達が生きる地上の基本の形です。
地上における基盤基礎を表します。
彼が目指すものは現実世界での成功や地位名誉の獲得、それを獲得するための行動力や力を象徴しています。
〈皇帝〉は甲冑の上に赤い衣服を身に着けています。赤は戦いを表し、男性原理にも結びつく色です。
彼は赤い服の下に甲冑を身に着け、いつでも戦える戦闘態勢下にあります。
まだこれから現実世界での戦いが待っていること。
そして、それに勝ち残って行こうという強い意志も伺えます。
玉座に座る彼の左右の手の下には牡羊の頭装飾があります。牡羊は牡羊座とギリシャ神話のゼウスに関連付けられます。
背景の切り立った岩山は、私達がこれから直面する現実世界を生き抜くための戦いや厳しさ表しています。
山と同様に石においても、古代人達は神を見崇拝の対象としていました。石は安定を表し物質的恵みや現世での利益も表します。
まさに彼の石の玉座は、物質界の象徴なのです。
アーサー・ウエイト博士は〈皇帝〉について、「彼は現実現世の実行する権力を表している」
と語っています。
タロットカード面白いですね。