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【龍空】「テンパる」の語源と意味の変化:麻雀用語から日常語へ

「テンパる」という言葉は、日常生活のあらゆる場面で聞くようになりました。しかし、実はこの言葉、もともとは麻雀用語の「聴牌(テンパイ)」が語源だということをご存じでしょうか。聴牌とは、あと一つ必要な牌が揃えば上がれる、いわばゴール直前の状態のこと。そこから「テンパイ」に接尾辞「る」をつけて動詞化したのが「テンパる」です。
初期の意味は、「準備が整う、完了に近い」というポジティブなニュアンスを持つ言葉でした。つまり、やるべきことがほぼ整い、あとは最後の一押しで完成するような場面で使われていたのです。

 

しかし、この言葉は時代とともに意味が変化していきました。聴牌は確かに揃う寸前の状態ですが、同時に「ギリギリで気持ちに余裕がない」「焦る状況」にも近い場面です。そこから派生し、「テンパる」は次第に“目いっぱいで余裕がない状態”を強く示す言葉として日常語に定着していきました。

 

現代では「準備が整う」という本来のニュアンスはほとんど使われず、「焦る」「パニックになる」「頭が真っ白になる」といった意味で使われるのが一般的です。仕事でトラブルが起きた時、時間に追われている時、予想外の出来事が降りかかった時など、心がいっぱいになってしまう場面にしっくりくる言葉として、多くの人に浸透しました。

 

言葉は時代とともに変わるもの。もともと落ち着いた最終段階を示していた「テンパる」が、今では余裕のなさを表す言葉へと変化したように、私たちが日常で使う言葉も、使われる環境や感覚によって少しずつ形を変えていきます。「テンパる」という言葉の変遷を知ると、普段何気なく使っている言葉にも、意外な歴史や背景が隠れていることに気づけるのです。

 

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ほしよみ堂大阪アメ村店
龍空(りゅうあ)

2025年11月の出演日
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2025年12月の出演日
6日(土)、7日(日)、13日(土)、20日(土)、27日(土)、30日(火)

 

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