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【龍空】なぜ“助六”?なぜ“バッテラ”?知ると美味しくなる名前の話

お寿司の世界には、味だけでなく名前の背景にまで、長い歴史や文化が息づいています。その代表ともいえるのが「助六」と「バッテラ」。普段なにげなく選んでいるお寿司にも、実は面白い由来が隠れているのです。

 

まず「助六」。これは巻き寿司といなり寿司を詰め合わせたものを指しますが、なぜこの組み合わせが「助六」と呼ばれるのでしょう。その理由は、江戸の人気歌舞伎演目『助六由縁江戸桜』にあります。主人公・助六は、粋で華やか、江戸の男気を象徴する存在。その助六の恋人・揚巻(あげまき)が “いなり寿司”、そして助っ人役の “巻纏(まきまとい)” が “巻き寿司” に結びつけられ、二つが揃えば「助六」という洒落た呼び名になったのです。江戸っ子の遊び心が残る、なんとも粋な文化です。

 

一方の「バッテラ」。関西ではおなじみのサバの押し寿司ですが、この名前はポルトガル語の「bateira(バテイラ)=小舟」が語源と言われています。昔の押し寿司は、船底に似た木型に詰めて作られ、その形が小舟に見えることからこの名が付いたのだとか。日本の食文化の中に、遠い国の言葉が静かに溶け込んでいると思うと、どこかロマンを感じます。

 

由来を知ると、いつものお寿司が少し違った表情を見せてくれます。助六に込められた江戸の粋、バッテラに巡ってきた異国の風。どちらも、日本の食卓を豊かに彩ってきた大切な文化です。次にこれらのお寿司を手に取るとき、ほんの少しその背景に思いを巡らせてみてはいかがでしょうか。きっと、いつもより美味しく感じられるはずです。

 

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ほしよみ堂アメ村店

龍空(りゅうあ)

 

2025年11月の出演日

1日(土)、2日(日)、8日(土)、15日(土)、22日(土)、24日(月・祝)、29日(土)

 

2025年12月の出演日

6日(土)、7日(日)、13日(土)、20日(土)、27日(土)、30日(火)

 

ご来館お待ちしております。

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