
【龍空】傍若無人という言葉に思うこと
最近、電車に乗っているときのことです。
隣に座った方が、
イヤホンもせずに動画を流し始めました。
音は車内に響き、
静かに本を読んでいた私は、
思わずページを閉じてしまいました。
そのとき頭に浮かんだのが
「傍若無人」という言葉です。
傍若無人――まるで周囲に人がいないかのように
勝手気ままにふるまうこと。
普段はニュースや小説で見かけるだけでしたが、
いざ目の前でそんな光景に出会うと
「ああ、これがそうか」と
妙に納得してしまいました。
振り返ってみれば、
私も小さな‘傍若無人’を
していたことがあります。
混んでいるカフェで
つい長居をしてしまったり、
通話の声が少し大きくなったり。
誰かを困らせようと思って
やったわけではなくても、
結果的に周囲を不快に
させていたかもしれません。
そう考えると、
人ごとではないなと感じます。
では、どうすればこの「傍若無人」から
距離を置けるのでしょうか。
大げさなことではなく、
ほんの少しの想像力で変わるように思います。
たとえば、
「この行動をしたら
隣の人はどう感じるだろう」
と一瞬考えてみる。
相手の立場を思い浮かべるだけで、
自然と声の大きさを抑えたり、
席を譲ったりできるのではないでしょうか。
便利でスピード感のある時代だからこそ、
自分のことに夢中になりがちです。
でも、周囲を気づかう余裕を持てたなら、
私たちの日常はもっと心地よくなるはずです。
「傍若無人」という
言葉は少し厳しく響きますが、
裏返せば「人の存在を忘れないで」
というメッセージなのかもしれません。
私も、今日から少しだけ想像力を
働かせて過ごしてみようと思います。