
【龍空】捲土重来(けんどちょうらい)──立ち上がる力
「捲土重来」とは、一度敗れた者が再び勢いを巻き起こし、再挑戦することを意味します。もともとは中国・唐の詩人、杜牧の詩に由来する言葉で、「一度敗れた馬が土煙を巻き上げて再び戦場に駆け戻る」姿を描いています。まさに、挫折を経てなお再び挑む強さを象徴する言葉です。
現代社会では、結果を急ぐ風潮が強く、「失敗=終わり」と捉えられがちです。しかし本来、失敗は終点ではなく「再スタートの地点」です。捲土重来の精神を持つ人は、倒れてもただでは起きません。失敗の中から学び、修正し、再び挑むエネルギーに変えていきます。
たとえば、ビジネスでも恋愛でも、うまくいかない経験は誰にでもあります。そのとき「自分には無理だ」と諦める人と、「次はこうしてみよう」と立ち上がる人。その差が、時間が経つほどに大きく開いていくのです。失敗は痛みを伴いますが、その痛みこそが再挑戦への肥やしになります。
捲土重来の鍵は、「悔しさを希望に変えること」。失敗した自分を責めるのではなく、挑戦した勇気を誇りに思うことが大切です。そして、次こそは笑って過去を振り返れるように、少しずつ歩みを進めていけばいい。
人生は一度きりですが、挑戦のチャンスは何度でも訪れます。どれだけ土にまみれても、もう一度立ち上がる勇気を忘れなければ、必ず道は開けます。今日もまた、静かに土を巻き上げながら前へ進んでいきましょう。