【龍空】既往不及――過去を責めず、未来へ生かす
既往不及（きおうふきゅう）
「過ぎてしまったことは咎めたりしない」という意味の言葉です。
人生の中で、誰しも「失敗した」「あのときこうすればよかった」と思う瞬間があります。ふと一人になったとき、過去の失敗を思い出して自分を責めてしまうこともあるでしょう。しかし、過ぎたことをいつまでも引きずっていても、時間は戻りません。
失敗したことを思い出すのは、悪いことではありません。大切なのは、その出来事を「分析」し、「次へ生かす」ことです。なぜ失敗したのか、何が原因だったのかを冷静に見つめ直すことで、同じ過ちを繰り返さないようにできる。そうすれば、失敗は単なる後悔ではなく、学びの種になります。
人は完璧ではありません。むしろ、失敗の経験を通してこそ人として成長できるのだと思います。大切なのは、自分を責めすぎず、過去を糧にして前を向く姿勢です。
「既往不及」という言葉には、優しさと強さの両方が込められています。過去を否定するのではなく、受け入れて、そこから一歩を踏み出す勇気。たとえ失敗しても、その経験が自分を深め、次の成功へとつながっていく。
今日という日を生きるために、過去の出来事にとらわれすぎず、今この瞬間にできることを大切にしたいものです。過ぎたことは責めない。けれど、忘れずに学ぶ。そうやって少しずつ、よりよい未来を築いていくのだと思います。
