
【龍空】昔ながらの商店街で出会った人情
先日、久しぶりに
近所の商店街へ足を運びました。
そこは、
子供のころ母に連れられてよく訪れた場所。
懐かしさを感じながら歩いていると
当時見たままのお店がまだ営業していて
なんだか胸が熱くなりました。
時の流れを感じる一方で
新しいお店も並んでいて
まるで時代が共存しているような
不思議な光景でした。
ふと目に留まったのは
お豆の量り売りをしているお店。
今どき珍しいなと思い
しばらく立ち止まって眺めていると
ご年配の女店主が
「お姉さん、どの豆がご希望ですか?」
と優しく声をかけてくれました。
「いえ、子供のころ母とこのお店に来たことを
思い出して、懐かしくて」
そう伝えると
店主はにこやかに
「うれしいね、そう言ってもらえると、
お店をやっていてよかったと思えるよ」
と答えてくれました。
そして
「いつでも寄っていってね。
買い物じゃなくても、
おしゃべりでもいいから」と。
その言葉が
じんわりと心に沁みました。
まだこんなふうに
人と人とのつながりを
感じられる場所がある。
そんな人情が
今も残っていることに
少しほっとしました。
SNSで情報があふれる今の時代。
けれど
SNSがなかったころは
商店街やお店が情報の集まる場所でした。
買い物だけでなく
会話や交流
ちょっとしたニュースも
お店で交わされていた。
買い物の本来の楽しさは
そんなところにあったのかもしれません。