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【龍空】最近みかけない、べっこうあめ

最近の夏祭りでは
見かけなくなったものがある。

それは「べっこうあめ」の屋台。

 

私が子供の頃
夏祭りといえば
屋台に並ぶべっこうあめが
楽しみのひとつだった。

色とりどりの屋台の中で
わくわくしながら眺めていたものだ。

湯気の立つその様子は
まるで魔法のように感じられた。

 

飴が固まるまでの時間も
私にとっては楽しいひとときだった。

型から外されたばかりの
べっこうあめはほんのり温かくて
光に透かすと琥珀色に輝いて見えた。

親にせがんで買ってもらったその飴を
口いっぱいにほおばる瞬間は
まさに小さな幸福のかたまりだった。

 

あの頃
屋台のおじさんが見せてくれた
手仕事の美しさ
出来立ての飴の温もりと甘さは
今でも鮮明に覚えている。

 

今の子供達は
べっこうあめの存在を
知っているのだろうか。

スマートフォンやゲームが
当たり前の時代に
あの素朴で
手作りの温かみを感じる飴を
見たことがある子は
どれくらいいるのだろうか。

 

もし
今年の夏祭りに
べっこうあめの屋台を見つけたら
私は迷わず買おうと思う。

子供の頃の記憶をたぐり寄せながら
あの懐かしい甘さを
もう一度味わってみたい。

 

そして
もしも私の隣に小さな子供がいたら
「これがべっこうあめだよ」
と教えてあげたい。
あの美しい飴細工を通して
ほんの少しだけ
昔の夏の記憶を
分けてあげられたらと思う。

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