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【龍空】良薬は口に苦し――耳の痛い言葉こそ、人生を変える薬

「良薬は口に苦し」ということわざは、中国の古典『韓詩外伝』に由来します。原文には「良薬は口に苦くして病に利あり、忠言は耳に逆らいて行いに利あり」とあります。つまり、「良い薬は苦くて飲みにくいが病に効くように、真実の忠告は聞くと不快だが、行いを正してくれる」という意味です。

 

私たちは、誰かから厳しい意見や注意を受けたとき、つい反発したくなります。自分のやり方を否定されたようで、心がチクリと痛むからです。しかし、その痛みこそが、成長へのサインです。耳の痛い忠告は、あなたの中の「見たくない部分」や「改善すべき点」を照らしてくれる貴重な光なのです。

 

たとえば職場で上司に注意されたときや、友人に欠点を指摘されたとき。最初は不快でも、冷静に考えてみると「確かにその通りだ」と思えることはありませんか? その一言が、自分の行動や考え方を見直すきっかけになり、結果的に信頼を得たり、成果を上げたりすることにつながります。

 

反対に、甘い言葉ばかりを求めると、心は楽でも成長は止まります。苦い薬を避けてばかりでは、病が治らないのと同じです。大切なのは、忠告をくれた相手の「意図」に目を向けること。あなたを思って伝えてくれた言葉なら、たとえ耳に痛くても、それは愛情の証です。

 

人生の成長期には、必ず「苦い薬」のような時期があります。そこで逃げずに受け入れる心構えを持てば、人は驚くほど強く、美しく変化していきます。良薬は苦い。しかし、その苦味を味わえる人こそ、真の健康=心の成熟を手に入れるのです。

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