【龍空】計画通りに進まない人へ──挫折を防ぐための現実的な目標設定術
計画を立てても思うように進まない――そんな経験をしたことがある人は多いでしょう。最初は「今度こそ!」と意気込んで立てた計画も、気づけば三日坊主。なぜ人は計画通りに進められないのでしょうか。その原因の多くは、目標設定の高さと心の仕組みにあります。
まず、多くの人が陥りがちなのは「理想を高くしすぎる」ことです。向上心があるのは素晴らしいことですが、「完璧にやらなければ意味がない」という極端な思考が、かえって行動を止めてしまうのです。例えば、ダイエットを始めた人が「毎日1時間運動して甘いもの禁止」と決めても、忙しい日が続けば継続は難しいでしょう。一度できない日があると、「もうだめだ」と諦めてしまう。この“完璧主義の罠”が、挫折の最大の原因です。
また、計画を立てる段階で「現実的な見通し」を立てられていないことも多いです。モチベーションが高いときは、つい自分の能力を過大評価しがちです。しかし、人間の集中力や気力には限界があります。最初から全力で走ろうとすると、すぐに息切れしてしまう。成功している人ほど、「できる範囲で少しずつ進める」ことを大切にしています。
さらに、計画倒れを防ぐには「小さな成功体験を積むこと」が鍵です。たとえば「毎日10分だけ勉強する」「週に2回だけ運動する」など、ハードルを下げて“続けられる形”をつくることが大切です。達成できたら小さく自分を褒める。この積み重ねが自信となり、やがて大きな成果につながります。
そしてもう一つ重要なのは、「計画を立てること」が目的化してしまうことです。手帳にびっしり予定を書くだけで満足してしまい、行動に移さない人も少なくありません。計画は“実行を助けるための道具”であって、ゴールではありません。行動こそが本当の成果を生み出します。
計画通りに進まないことは、決して失敗ではありません。人は予想外のことに直面しながら成長していくものです。大切なのは、「完璧にやること」よりも「続けること」。小さな一歩を積み重ねることで、いつの間にか大きな変化が生まれています。焦らず、柔軟に、今できることから始めてみましょう。

