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【龍空】隗より始めよ――小さな一歩が大きな流れを生む
「隗(かい)より始めよ」という言葉をご存じでしょうか。戦国時代の故事に由来し、「物事はまず身近なところから始めるべきだ」という意味で使われています。
この言葉は中国の戦国時代、燕の昭王と郭隗のやりとりに端を発します。昭王は「賢者を招きたい」と相談した際、隗は「もし賢者を呼びたいなら、まずはこの私のような凡人を重用してください。そうすれば『隗ですら登用されるのだから、私のような人物もきっと歓迎されるだろう』と考えて賢者たちが集まってくるでしょう」と答えました。王はその助言を受け入れ、結果として多くの人材が燕に集まったのです。
この故事が示すのは、「大きな理想や遠い目標を掲げる前に、まずは自分の手の届くところから始めなさい」という普遍的な教えです。
現代に生きる私たちも、この言葉から学べることが多くあります。例えば、人生を変えたいと思うなら、いきなり壮大な計画を立てる必要はありません。まずは「一日10分読書する」「週に一度運動をする」といった小さな行動からで十分です。小さな変化を積み重ねることで、やがて大きな成果につながります。
また、人間関係でも同じです。職場や地域社会で「良い雰囲気を作りたい」と思うなら、まずは自分が笑顔で挨拶をすることから始めればよいのです。その一歩が周囲に伝わり、やがて組織全体を動かすきっかけになるでしょう。
「隗より始めよ」という言葉は、完璧な準備が整うのを待つのではなく、今できる最初の一歩を踏み出す勇気を与えてくれます。夢も理想も、最初の一歩なしには決して形になりません。
あなたが今抱えている目標や課題も、まずは「身近な隗」から始めてみませんか。