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【龍空】願いをこめて、短冊に

七夕が近づくと
街のあちこちに
笹の葉と色とりどりの
短冊が飾られる。

子どもたちの
願い事に混じって
大人の短冊も
見かけることがある。

「家族が健康でありますように」
「世界が平和になりますように」
その文字はどれも少し恥ずかしそうで
それでいて真剣だ。

 

短冊は
不思議なものだと思う。

普段は心の中に
しまっておくようなことを
なぜか素直に書ける。

願いを書くという行為は
自分の本音に
耳を傾けることでもある。

人に見せるためじゃなく
自分と向き合うための
小さな儀式なのかもしれない。

 

子どものころ、私は
「テストで100点とれますように」
と書いた記憶がある。

今思えば微笑ましいけれど
当時の私は本気だった。

何日も考えて
ようやくその一文に決めたのだ。

そんな純粋な気持ちを
大人になるとつい忘れてしまう。

 

今年
久しぶりに短冊を書いてみた。

「今の暮らしを大切にできますように」と。

派手な願いじゃないけれど
今の自分には一番しっくりくる。

願いは叶うかどうかより
願うことで自分の輪郭が少し見えてくる。

それが、短冊の力だと思う。

 

風に揺れる短冊を見上げると
誰かの願いが空に向かって
昇っていくように見える。

七夕という年に一度のこの行事が
日々の慌ただしさの中で
忘れかけていた
「心の静けさ」を
思い出させてくれる気がする。

 

今年も
空が晴れますように。

そして
誰かの願いが
そっと叶いますように。

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