
【風悠子】忘れられない鑑定 1
こんにちは、風悠子です。
先日のこと、
忘れられない鑑定って、ありますか?
それは、どんなのですか?と、尋ねられました。
最初は泣いていたお客様が、笑って帰ってくれた鑑定。
そう答えました。
お客様の笑顔を見れるのは、占い師冥利につきます。
鑑定に安心してもらえた結果の賜物です。
私自身も笑顔になれます。
ポジティブな体験だから、思い出すことは多いです。
今まで様々な相談を受けてきました。
鑑定はお客さまのプライバシーそのものです。
私の場合、友人や家族に話すことは、まず、ないです。
でも、今日は心の奥底に大事にしまってきたことを書きます。
それは、お客さまを笑顔にできなかった鑑定。
2020年秋、京都の占い店で鑑定していた頃の話です。
外国人女性の名前でネット予約が入りました。
イギリス人やアメリカ人の心理学博士に師事、と
当時のプロフィールには書いていたので、
外国のお客様には指名しやすかったのでしょうか。
ドイツ系の名前なので、強そうな人をイメージしていましたが、
現れたのはスリムで、はにかんだ笑顔の女性。
日本人の友人が、通訳として同行していました。
助かりました。
全部英語の鑑定は、少々ハードです😅
そのお客さまは、英会話講師をしながら俳優を目指していました。
大学では演劇専攻だったそうです。
日本での芸能活動のことでの相談でした。
二度目の予約は半年後くらい。
リピートしてくれたので楽しみでしたが、あいさつもそこそこに、
「この間、手相をみてもらいましたが、私、入院したのです!」
えっ?? 私が手相をみたせいで入院した???
「あの時、健康に気をつけてくださいと言われましたが、
病気になって入院しました。当たりましたよ‼」
彼女は笑顔です。
持久力不足、体力を消耗していると手相から感じました。
だから健康に気をつけてね、と私は言いました。
入院します、とは予言しませんでしたが。
英会話講師と俳優、二足の草鞋で、無理しちゃったのでしょうね。
言われたとおりに健康を気にしていたら、入院しなかった、
そう思ったから、当たった!と感じてくれたのですね。
その後、彼女は東京に引っ越しましたが、
京都に来るついで、何度か友人と一緒に来てくれました。
2023年1月4日、
彼女の予約が入りました。新年、初占いです!
今年の運勢を知りたいのでしょうか。
良い役を得られたのか、オーディションの相談なのか。
でも現れた彼女と友人には、元気がありませんでした。
ちっとも、おめでたい空気ではなかったのです。
彼女はアメリカ人ですが、国籍の違う男性の友人がいて、
その彼が、最近、母国に帰ったそうです。
でも、その後の消息がわからない。
連絡してみたけれど返事がない。
とても心配です。
彼はどうしているのでしょうか。
ごく普通の相談、ですよね。
友人がロシア人ではなく、
2022年2月24日に、ロシアがウクライナに侵攻していなければ。
海外在住のロシア人男性、徴兵対象年齢の男性に帰国するように、
プーチン大統領が命令したという報道もありました。
彼は亡命することなく帰国したのですね。
リアルな戦争です。
生死に関わることしかありません。
占いでは、試験の合否、病気、生死の鑑定は、お断りするルールがあります。
でも、全身が心配に打ちひしがれている彼女を前にして、
「すみません。生死に関わることは占えないのです」
とは言えませんでした。
断ることは、すなわち 彼の死を肯定すること、
彼が死ぬと言ってるのと同じなのでは?
そう思えました。
彼が戦闘に加わったという証拠は、その時点ではありません。
だから私はカードを手に取りました。
私が使っているのはTOTOのカード。
小アルカナにも英語のタイトルがついています。
カードをめくるたびに、ため息がきこえました。
彼女もそれを読んで、なんとなく察しているのがわかります。
彼の無事をお祈りしましょう。
誰も笑顔にならないまま、鑑定は終わりました。
それから彼女の来店がないまま、私は京都を離れました。
ウクライナ侵攻はまだ終わっていません。
停戦の仲介にのりだしたトランプ大統領は、イランを攻撃しました。
あれから、世界をどのくらいの数のミサイルが飛び交ったのか。
これからも増えるのでしょう、残念ながら。
侵攻が始まった2月24日は、私の誕生日です。
あれから三回、誕生日を迎えましたが憂鬱でした。
2026年の誕生日は穏やかな気持ちで迎えたいです。
あと8ヶ月、解決を願っています。
風悠子 出演日
6月24日(火)、
7月4日(金)、 7月7日(月)