神様に会えるかもしれない?物にも優しく接してみよう【曽我部キキョウ】
日本には、長い年月が経つと
物にさえ霊が宿るという
考え方があります。
いわゆる『つくもがみ』です。
つくもがみの漢字表記は
付喪神、または九十九神。
道具などは、100年という年月を経ると
精霊を得て、付喪神に変化することができるとか。
そういうことが、古い文献等に書かれています。
現代では同じものを10年使ったら
「物持ちがいいわねぇ」
と言われかねないというのに、
100年ですって。
年月はさておき、
物に精霊が宿るという考え方、
どう思われますか?
それはあり得ないだろうと
バッサリと切り捨てる方も、いらっしゃるでしょう。
が、しかし。
改めて注意してほしいのが、
物が生きているかのような
言い回しが多いことです。
例えば物を取ろうとして
手が滑ったら
「この子、生きてるわ」などと、言ったりして。
物に対して敬称や
愛称をつけることもあります。
大阪のおばちゃんなら、
「飴ちゃん、あるで」でしょう。
よく考えると、不思議ではありませんか?
おそらく、かつての
『つくもがみ』という考え方が
影響しているのではないでしょうか。
その存在の、善悪は別として
物にさえ敬意を払い
優しくなれる、というのはいいことです。
現代では、消費に次ぐ消費で
つくもがみになれるほど
生き延びることのできる道具など、
ないかもしれません。
それでも、優しい気持ちを
ずっと持ち続けることができるよう
つくもがみの考え方を、
時々思い出してみてください。