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【曽我部キキョウ】そんなに怒ると血圧が上がるよ!と言われなくなった

昔はよく怒ってカッカしている人に

「そんなに怒ると、血圧が上がるよ」と言って

なだめていました。

 

ところが最近はあまり耳にしていません。

 

医学の進歩で、

実は血圧が上がらないことが分かった?

そんなわけではありません。

 

確かに、怒りという感情は

血圧の値を一瞬ですが、上げます。

 

この仕組みはすでに解明されています。

 

怒ると交感神経が優位になり

アドレナリンやノルアドレナリンという

物質が分泌されます。

 

結果として、血圧が上がり、

心拍数が増え、呼吸も早くなります。

 

この一連の動きを、単純に表したのが

「そんなに怒ると血圧が上がるよ」でした。

それでみんなに通じていたのです。

 

ではなぜ、最近は

あまり言わなくなったのでしょう。

 

考えられる理由の一つが、

血圧という言葉自体が流行しないこと。

昭和から平成初期でしたら

健康雑誌やテレビ番組は

血圧を下げることに注目していました。

 

しかし、最近の健康に関する話題は

もっぱらストレスや自律神経、

メンタルといった方向へ舵を切っています。

 

だから血圧だけで何かを説明しようとしません。

 

そして、血圧が上がると言ったときの印象もあります。

加齢による高血圧症をイメージする人も多いでしょう。

しかし、簡単に高血圧症にはなりません。

 

さらに、言い換えが進んだということも見逃せません。

 

「血圧上がるよ」の代わりに

「自律神経が崩れるよ」

「ストレスがたまるよ」

という方向になっています。

 

どれも、興奮しすぎると

体に良くないと言っていますが

単語が変わりました。

 

様々な身体の仕組みが解明され、

病による症状も細分化されて、

物事が複雑化しています。

 

厳密には違うから言えない。

誤解を招くから使えない。

 

知識が増えるのは悪いことではありません。

 

けれども、日常の軽い会話では

正確で緻密な説明しても

しらけてしまうのではないでしょうか。

 

そんなに怒ると血圧が上がるよ。

 

この言葉は、血圧のことを言いながら、

相手のことを気遣うものだったのではないでしょうか。

 

正確な、科学的な知識と引き換えに

少し雑だけれども温かい言い方を

なくしてしまうのは、少し寂しい気もします。

 

 

選べる道を増やす、もう一つの見方を
曽我部キキョウ

 

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