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【曽我部キキョウ】考えることをやめた脳 ~形だけでは届かないことがある

電車内でリュックは前掛け。

並ぶときには一定間隔をあける。

鉢植えには毎日水をやる。

 

これらは一例ですが、

このようなことを徹底している人について

どう思いますか。

 

マナーのいい人だ。

優しい人だ。

気遣いができる人だ。

 

そう思いませんでしたか。

 

確かに世間一般では

そう考えがちです。

 

けれども、なぜそうするか

考えたことはありますか。

 

マナーだから。

ルールだから。

当たり前のことだから。

 

そう捉えている場合も多いでしょう。

 

けれども、ここで一度考えてみてください。

 

電車内でリュックを前掛けするのはなぜ。

 

目の届かない背後に荷物があることで

知らない間に他人にぶつける可能性があるから。

あるいは荷物を目の届くところに持ちたいから。

 

では、ガラガラに空いている電車内で

他人は2メートル先にしかいないのに

リュックを前掛けにする理由は?

 

マナーやルールは、

まず自然発生的にできて

形作られていくものも多くあります。

 

他人を不快にしないように。

生きものを大事にするために。

その配慮は大事です。

 

ところが、いつしかそれが

記号化されて、

「そうするものだ」になってしまいます。

 

これは人間の思考として

必要な過程でもあります。

 

信号が赤だから、

横断歩道を渡らない。

 

これを一から考えて行動しません。

道路には車が走っている。

次の車が来るまでに、およそ一分。

信号は歩行者側が赤くなっている。

 

そんなことを考えて生きていると

脳が過労になるでしょう。

 

だから、こういう場合はこうする、という

いわゆる「記号化」で

瞬間で判断できるようにしているのです。

 

問題はいつの間にか

それを当然と思いすぎてしまうことです。

 

鉢植えには毎日水をあげる。

何も考えずにそうするとどうなるか。

 

土の状態や植物の具合によっては

根腐れを起こして枯れてしまいます。

 

社会で暮らす人間にとって

マナーやルール、当たり前のことは大事ですが

ときには状況を見て、

その場に応じた判断をすることも必要です。

 

マナーやルールを守ることだけが目的になると

人は考えることを止めてしまいます。

 

形をまねるだけなら

機械の方が正確でしょう。

 

人間だからこそできるのは、

状況を見て、理由を想像し、

その場に合わせて

判断することではないでしょうか。

 

選べる道を増やす、もう一つの見方を
曽我部キキョウ

 

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