【曽我部キキョウ】言葉だけでは足りない
この色を見たら気分が落ち着きます。
ある食材に、血圧を抑える効果が認められました。
そんな言葉を聞くと、
あなたはどんなことを考えるでしょう。
嫌なことがあって、ムカムカしているときに
その色の何かを見て、
怒りが収まることを期待しますか。
その食材を食べ続けていると、
高血圧症が治ると思いますか。
冷静に文章だけを読んでいると、
そんなことはないよ、と
思っているかもしれません。
しかし人は、受け取った情報が
どの程度のことを言っているか
いちいち確認しているわけではありません。
自分が期待していることが起こるのでは、と
拡大解釈をしてしまうこともあります。
これは、言葉の意味は理解していても、
受け取った情報の範囲を
正しく理解できていないときに起こります。
効果があるという言葉が分かっているからこそ、
その効果が認められたときの
詳細な条件を理解できていないという
自覚がありません。
受け取る情報を疑えと言う話ではありません。
説明責任が果たせていないということでもない。
人は言葉を使って様々な情報を
他の誰かに伝えます。
考えていることを頭の中で言葉にして、
話したり、書いたりして
情報にしているのです。
しかしこのとき、考えのすべてが
きっちりと言語化されているとは限りません。
なぜ怒っているか説明するとき、
あなたは怒りの感情が
どの時点で沸き起こり、
何でどう変化したか、すべて言語化しないでしょう。
つまり、言語化された情報には、
実は空白が存在しているのです。
さらに受け取り側も、
その情報を、自分の経験や知識を使って
補うということをします。
そうすることによって
お互いの思い描く情報に
細かな違いが生じる余地が生まれます。
だからどうするか。
相手の立場で考えましょう、という
単純な問題ではありません。
それが可能なら、世の誤解の大半は
そもそも起こっていないかもしれません。
人は言葉を使って考え、
そこから伝える言葉を紡ぎだします。
この過程で言葉になっていないことも
存在するのだということを知っておくことが、
ほんの少しの助けになるかもしれません。
言葉は最高に便利なツールですが、
世の中の何もかもを表せるほどに
万能ではないのですから。
選べる道を増やす、もう一つの見方を
★★★曽我部キキョウ★ほしよみ堂★★★

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2026年10月
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2026年10月
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