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【曽我部キキョウ】雷雨の中で、草を食べる

雷雨があると、とにかく避難しようとしませんか。

 

急いで建物の中へ。

屋外なら、危険な場所からできるだけ離れる。

落雷の危険を十分知っているからです。

 

でもこれは、人間の生活圏での話。

 

例えば広大なアフリカのサバンナでは?

サバンナの雨季には、雷雨が多く発生します。

そして、地形は雷がどこへ落ちても

おかしくないような平原です。

 

そこに住む動物たちは、

やはり落雷を恐れて、

どこかへ避難するのでしょうか。

 

中には、巣穴に潜る動物もいます。

けれども、人間になじみのある

草食動物の群れなどは

逃げられる場所があるとは限りません。

 

では、どうするか。

 

どうもしません。

もちろん雷光や雷鳴に驚いて

そわそわする個体もいますが、

そのまま草を食べている個体もいることでしょう。

 

別に動物たちは哲学的視点から

危険を受け入れて

泰然としているわけではありません。

 

彼らにとって、不運にも

雷に打たれて死ぬことより

恐ろしいことはたくさんあります。

 

今食べておかなければ、

明日飢えるかもしれない。

いつ捕食者が襲ってきて

食べられてしまうか分からない。

 

そして、雷によって死ぬ可能性は

かなり低い。

 

危険を完全に避けられないけれども、

そのリスクを冒してでも、

今を生き延びることを選んでいるのです。

 

さて、このお話をするにあたって、

雷鳴の中でも動物が食事をしている映像を

探そうとしてみました。

しかし、見当たりません。

 

それはそうです。

その映像を収めるはずの人間たちは

雷雨の訪れとともに

避難してしまっていますから。

 

人は常に安全でいようとします。

 

危険を排除し、危ういものに近付かず。

けれども、安全に生きることと、

危険のないことは、

少し違うのではないでしょうか。

 

どこを目指すか。

何を重要だと思うか。

 

それによっては、危険を承知でも

進まなくてはいけないのかもしれません。

 

 

選べる道を増やす、もう一つの見方を

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