【曽我部キキョウ】協力は教わった、断り方は教わらなかった
小さいころから教わり、
身につけていくことの一つに
協力があります。
仲良くしましょう。
助け合いましょう。
和を大切にしましょう。
ところが逆のことは
あまり教わりません。
つまり、境界線を引きましょう、
それで相手を失望させることもあります、という
「断る」についてです。
だから大人になっても
断ることが苦手という人は
たくさんいます。
しつこい勧誘を断れない。
気のない相手の誘いを断れない。
振られる仕事を断れない。
なぜ断れないのでしょう。
相手がかわいそうなきがする。
嫌われるのが怖い。
そういう気持ちもあるでしょう。
それだけではなく、
相手の気持ちに応える責任があると
どこかで思っているのかもしれません。
しかし、よく考えてみると
断るとは、相手を傷つけることでも、
相手の人生を突き放すことでもありません。
恋愛で見ると、
気のない相手からしつこく誘われたとき。
「いいよ」と言って誘いに応じると
相手はその先を期待します。
断るにしても、「今は忙しいから」などと
その場しのぎで答えると、
相手はタイミングを変えれば
まだ大丈夫、と期待を残します。
ちゃんと断った後で
「でも、あなたはいい人だし」などの
言い訳のような言葉を加えると、
やはり相手はまだ望みはあるかも、と思います。
では、誤解しようもないぐらいに
はっきり断るとどうでしょう。
相手は傷つくかもしれません。
人を傷つけた罪悪感に
あなたは囚われるかもしれません。
しかし、あなたはその相手の
人生を背負っているわけではありません。
自分には自分の人生があって、
その人が入る余地がない。
それなのにその人に合わせても
自分が困るだけです。
つまり、断るというのは、
ある意味、「自分の人生を生きます」という
宣言のようなものです。
そして同時に、
期待できない事実を教えることで
あなたの人生はあなたのもの、と
境界線を引くことでもあるのです。
傷ついた心を立て直すのは
最終的には相手自身の役目です。
もちろん、その痛みに
思いを寄せることはできますが、
代わりに生きることはできません。
人は他人の人生まで背負えるという
錯覚を抱きがちです。
しかし、この錯覚を手放す、
つまりはっきりとした境界線を示すことは
冷たくなるのではなく、
適切な距離感を見つけるための
確かな方法なのです。
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