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【曽我部キキョウ】肩書は完成証明ではない ~人は役割になっていく

江戸時代は、我々にとっては

そこそこ遠い昔で

今の生活様式とは全く違います。

 

けれども、江戸時代が明治時代になったとき、

その日を生きていた人は

「さあ、今日から明治だ。西洋化するぞ」

なんて思ったでしょうか。

 

おそらく、江戸時代だった昨日の続きが

明治時代という今日になっただけです。

生活が1日で激変したわけでも、

人が1日で変わったわけでもありません。

 

人生も同じです。

 

17歳と364日、23時間、59分、59秒、

そのときの自分と、

18歳になって1秒の自分、

一体何が変わったのか。

 

基本的には何も変わりません。

 

けれども、社会の中の立場は

未成年から成年に変わります。

 

社会では、人を区切って扱います。

 

会社組織では、役職が必要です。

結婚には、入籍日が必要でしょう。

医者だと、免許取得日が。

 

このように、社会は線を引いて

区切りをつけていかないと成り立ちません。

 

ですから、区切りそのものが

悪いということではありません。

ただし、これは社会の都合です。

 

ところが、人はつい、その区切りを

自分の成長と勘違いします。

 

部長に昇進しました。

今日から部長らしくしなくては。

 

結婚をしました。

今日から妻らしくしなくては。

 

しかし人は一瞬で変われません。

 

昨日まで課長だった人が

今日から部長として何でもできるか。

いいえ。

 

昨日までは婚約者だった人が

今日から妻として完璧か。

いいえ。

 

それなのに社会の区切りが変わったとたん、

もうできるはずだと思ってしまいます。

 

その思い込みが

できていない自分を責めて

苦しくさせているのです。

 

人の成長とは、区切りをまたいだ途端に

育つものではありません。

日々の積み重ねで

グラデーションのように育っていきます。

 

部長は部長になってから、

少しずつ部長として育ちます。

同様に、妻も妻になってから

少しずつ妻になっていくのです。

 

肩書とは、完成の証明ではありません。

経験を積む入口です。

 

社会はある瞬間

あなたの肩書を一変させます。

しかし人は、昨日の続きを生きていて、

少しずつその役割に相応しく

成長していきます。

 

区切りは社会のためにあります。

そして成長は自分のためにあるのです。

 

だから、「今日から完璧」である必要はありません。

 

社会が付けた肩書に相応しい自分に、

一歩ずつ近づいているのなら

それが成長なのです。

 

 

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