【曽我部キキョウ】虹は目的地ではない ~歩いた道にも宝物はある
大きな虹を見た時に
根っこというか、生え際というか、
地面とはどう接しているのだろう、
と考えたことがある人は多いでしょう。
そして、その虹の根元を求めて
虹に向かって歩いたことがある人も
多いのではないでしょうか。
しかし、科学的な話をしますと
虹に「生え際」はありません。
空中にある水滴一つひとつが
太陽の光を決まった角度に
反射することで見える現象です。
ですから、「ここ」から見える虹が
「そこ」にあるのではなく、
その方向にある無数の水滴が
たまたま虹色に見えているだけ。
虹そのものは、物体として
田畑の隅から生えているようなものではなく
太陽と水滴と、そして自分の位置によって
見ることができるものです。
近付けば近づくほど、
虹の「生え際」は
少しずつ遠さがっていきます。
人生にも、虹に似たような
目標があります。
結婚したら幸せになれる。
昇進したら満足できる。
独立できたら成功だ。
このように、そこに到達すれば
人生のゴールのように
思ってしまいます。
けれども、その目標に
到達したと思っても
そこは終着点ではありません。
目標を達成したのに
何だか満たされない。
ここからどうすればいいか
悩んでしまう。
このような場合、
目標が間違っていたのかと
思いがちですが
そういうわけではありません。
その目標が通過点だっただけです。
結婚すると夫婦生活が始まります。
昇進したら新しい地位での仕事があります。
独立したら会社を経営しなくてはなりません。
虹が逃げたのではなく、
自分がそこまで歩いたから
新しい虹が見えるようになるのと同じです。
虹を目指して歩くとき、
虹だけを目で追っていると
近くにある景色を見落としてしまいます。
例えば一緒に歩く人。
身についていく力。
偶然の出会いや小さな幸せ。
けれども、このような
道中のできごとも
全て人生の成果です。
虹の「生え際」を
見つけることはできません。
それでも人は、虹を見ると
追いかけようとします。
虹は動き始めるきっかけです。
それだけが価値あるものではありません。
そこに向かう道中でも
宝物が見つけられるのです。
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