【曽我部キキョウ】異常を解剖する
今年の夏、暑すぎ。
今年のゲリラ豪雨、異常。
こういうことは日常会話として
よく語られています。
ところで異常気象というとき
何をもって異常としているのでしょう。
気象の場合、過去のデータが蓄積されており、
その平均値と比較して
大きく外れていると異常と言います。
物には設計や規格があり、
形や機能を定めています。
ですから、時計が動かないとか、
コップが割れているとか、
本来の設計や規格から外れると
異常と言えます。
異常か正常かが、
分かりやすいのが特徴です。
では、人間の場合はどうでしょう。
人間は一人ひとり違っています。
性格も、感情も、仕草も、
それぞれ個性があるのです。
だから隣の人と比較しても、
それが異常とは言えません。
無理やり多数派を正常と言ってみて、
そこと違っていても
個性の範囲内のことも多くあります。
しかし、だからと言って
全てが個性というわけではありません。
例えば1週間、1日に15時間眠っている人が
日中に起きていられないほどの眠気を訴えたら。
これは個性ではなく、
身体的な機能に
異変が起こっている可能性があり
異常を疑います。
しかし、失恋して1週間たつのに
まだ次の恋愛を探そうとできない、という場合。
1週間で立ち直ることが
正常なわけではないので
異常かどうかは判別できません。
珍しいとか、平均と違うことでは
異常とは言えないのです。
けれども異常な人というのが
存在しないわけではありません。
人を繰り返し殺害するシリアルキラーは、
重大な危険を繰り返し与えることを考えると、
社会から見れば異常でしょう。
一方で、恨みなどで追い詰められた人が
感情を爆発させて、
衝動的に人を殺してしまった場合、
これは異常な人と呼べません。
異常な行為に走ったとしても、
その人自身が異常かは別の問題です。
同じ状況下でも
絶対に自分は同じことをしないと
誰も言えないのではないでしょうか。
異常という言葉には
たくさんのものが詰まっています。
平均から外れている。
珍しい、あるいは変わっている。
身体や精神に問題がある。
危険である。
すべて違うのに、
日常では「普通じゃない」とか
「変だ」と言って、「異常」で
片付けてしまいがちです。
そして正常な人間ではないと
人そのものを判定することに繋がります。
気象であれば、基準となる過去のデータがあります。
しかし、人間社会は変化し、
価値観も、社会情勢も、制度も、
常に同じではないのです。
人を見て異常だと思ったとき、
その人がどういう基準から外れているのか
気にしたことはありますか。
選べる道を増やす、もう一つの見方を
曽我部キキョウ

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